軽井沢万平ホテル内に期間限定でオープンする遠藤波津子美容室。4代目遠藤波津子の孫、常務取締役の遠藤晶子さんも夏から秋は軽井沢で過ごす時間が多くなります。軽井沢暮らしの中で通いたくなるお薦めのお店をご紹介いただきました。
追分エリア
何度でも行きたい[mi-shang]のアフタヌーンティー

時間を忘れてゆっくり過ごせる円卓ルーム。mi-shangのアフタヌーンティーは3部制で、円卓ルームと角テーブルルームの1部屋1組限定。3日前までの電子予約。
真っ先に教えてくださったのが、シノワズリーテイストのアフタヌーンティが楽しめるmi-shang(ミーシャン)。まるで友人宅に招かれたゲストのような心地よい空間で味わうアフタヌーンティーは、むしろ点心のコースといった充実した内容です。店主の村木美沙さんにとって点心の師は神戸オリエンタルホテル時代の香港点心師“麦氏”。その後料理界の中でさまざまな経歴を経て2010年に香港カフェ「蜜香」を東京・代官山に開業します。軽井沢に移転したのは4年前。
「料理人はほとんどの時間を店で過ごすので、見える景色が道路という人生ってつならないなと思ってしまって、軽井沢に。古い中古物件をみつけて理想の空間をつくってきました。」

1.カナッペ(豚干し肉とパイナップルのコンフィ、ネクタリンをのせて) 2.焼茄子の冷たいすり流し 3.ミニズッキーニの春巻きと成平隠元の和え物に唐墨、トマト 4.信州産大王イワナのたたき青シソゼリーと 5.「走る豚」の叉焼と軽井沢のヤングコーン 6.ほうき鶏とミントの雲呑 7.車海老の海老蒸し餃子3品 8.松本産スイカの杏仁豆腐と杏仁専用オリジナルコーヒーブレンド 9.焼き菓子数種
mi-shangは心の栄養がコンセプト。地元の野菜や果物は香りも味も違うと、地元の食材を生かして、2ヶ月ごとにメニューを変更しています。シノワズリテイストなコース仕立てのアフタヌーンティーセットは、前菜、季節のすり流し、信州野菜の料理、魚料理、叉焼、点心4品、デザート、焼き菓子。数種類の中国茶でいただきます。最後のコーヒーはデザートに合わせた特別ブレンドというこだわり。すべてを村木さんひとりで切り盛りするため時間も人数も限定され、夏の間は予約困難。ピークを外して、秋風の吹く頃にmi-shangに行くと言って軽井沢に出かけるのも贅沢な時間の使い方かもしれません。

おすすめの中国茶がふるまわれます。仕事も人生も軽井沢で理想を叶える店主の村木美沙さん。お店のオープンは春から秋、冬の間は通販に対応。
「軽井沢には四季がちゃんと流れています。草木や苔を手入れする手間はかかりますが、花が咲いたり美しい苔で庭が覆われて、リスや小鳥が軒下に訪れる、私にとってはかけがえのない時間です。」
日々時間に追われてばかりでちょっと立ち止まってみたいとき。古い友人と再会して空白の時間を埋めたいとき。あるいは母娘でゆっくり家族の話をしたいとき……。mi-shangのアフタヌーンティーをいただきながら、一緒に再訪したい人の顔が浮かぶ、そんなひとときを味わえます。
中軽井沢エリア
やちむんとこだわりチーズの[HIJIYA33]

店主の“押し”が詰まった楽しいお店。遠藤晶子さんは購入したやちむんの器をハワイの別荘に持ち込んでいるほど愛用しているそう。
続いて「前を通るとつい寄ってしまう」と、遠藤晶子さんのお気に入りセレクトショップへ。お店に入るとまず目に飛び込んでくるのがやちむんの器たち。産地の沖縄で見るよりもかわいくて、楽しそうに並んでいるように見えるから不思議です。ふと見渡すとこんどは美味しそうなジャムが。そして、ここにあるからにはこだわりが満載なのだろうと思われるポップコーン、奥の冷蔵庫にはレアな雰囲気ムンムンのチーズやシャルキュトリたち。さて、どの子を連れて帰ろうかと迷っている間、いかにも軽井沢マダム風の上品なご婦人がやってきて「これよ、これ。よかったわ入っていて。」とシルクの靴下を色違いで数点の目的買い。小さいけれどなんだかとってもワクワクするお店。

長野の清水牧場の「バッカス」1,430円/100g、山のチーズ1,100円/100g、赤城の山羊チーズ3,300円、北海道のしあわせチーズ工房のハードタイプ1,188円、ボスケソチーズラボの白カビチーズ1,100円。奥本農園の手作りジャム。シルクの靴下やベトナムのプラカゴなどの使える小物も。
「とりとめがないでしょう?だけど、私の押しだけを集めたお店です!」と店主の土屋ひかるさん。これは?と聞くと原材料のことはもちろん、生産地の背景や生産者の人となりまで語りだすほど、ほんとうに納得して買い付けていることが分かります。しかもそのお話がとても楽しい。あれもこれも欲しくなってしまうけれど一度に食べられないから、再訪を約束。通いたくなるお店でした。

長野県北佐久郡軽井沢町長倉3017
TEL:090-8743-5636
営業:10時~15時33分
定休:木曜日
追分エリア
建築ごと味わえるイタリアン[飯箸邸]

東京・等々力から移築された建物で、2023年まで「ドメイヌ ドゥ ミクニ」というフレンチが入居していた一軒家。オーナー支配人の宮部拓也さんが独立を機にこの物件に出会い、2024年にオープン。
店名の「飯箸(いいはし)邸」は、1941年にモダニズム建築の巨匠・坂倉準三が等々力に建てた時のもともとの名称で、「大名の御膳番」に由来するという説も。名建築の一軒家レストランだけに素敵な個室もあり、「オケージョン別に使い分けられる便利さが魅力」と推薦者の遠藤晶子さん。ちょっとした記念日には個室でコース料理を、友達とランチならアラカルトで、天気のいい日はテラスで、犬と同伴も可能(一見さん以外、要相談)など、その日の目的に合わせて“使い勝手のいい”ところが嬉しい優しいレストラン。

昼夜ともにアラカルトとコース(11,000円~)
オーナーの宮部拓也さんは、代々木の「レガーロ(Regalo)」などでサービスマンとしての経験を積んだ方。シェフは「千駄ヶ谷マンジャペッシェ」出身で、アクアパッツァの日高良実シェフにも師事した杉本さん。長野の食材に加え、杉本さんの出身地・南伊豆の水産物を中心に、食材にフォーカスした料理が楽しめるそう。軽井沢・追分の“御膳番”として期待されています。

TEL:080-3752-1184
営業時間:11時30分~15時、
18時~23時
定休日:火曜、月1回不定休あり
料金:コース11,000円~
アラカルト多数あり。 ※要予約
御代田エリア
気になるパティスリー[くろねこ軒]

喫茶メニューは、左からフロマージュ・クリュ(レアチーズケーキ)620円、ヌガーグラッセ・フロマージュエピス(柔らかい氷菓)730円、タルト・アプリコ(あんずタルト)600円
じつはまだ行ったことがないけれど、とても気になっている店として挙げてくれたのがパティスリー「くろねこ軒」。ひと足お先に取材陣が訪れると、看板犬のプロットハウンド、テオくんが迎えてくれました。店主の池谷信乃さんがフランスに滞在中、躾られた犬が飼い主と共にどこにでも行けることに驚き、日本もそうなってほしい、そして保護犬猫を広く知ってほしい、という思いから犬猫フリーの店内です(なので、動物が苦手な方にはおすすめしません)。

しつらえも素敵な一軒家カフェ。テイクアウトの焼き菓子もあります。軽井沢滞在と営業日が重なったら行くしかない!
広告代理店出身という異色の経歴の池谷さんは、東京・国立でお菓子工房くろねこ軒を開業していましたが、2022年に長野県御代田町に移転。サロン・ド・テは基本的に1~3週目の土日月、4週目頃にお菓子教室を開催しているという不定期営業です。ベーシックなお菓子をいかにもっと美味しく作るかを追求し、お菓子を作る楽しさを1人でも多くの人に知っていたもらいたいと、著書も多数。ちょうど焼きあがったタルトは見るからにおいしいに違いないというオーラを発し、フランスの田舎町にいるかのような錯覚さえ覚えます。
甘い幸せに浸れるカフェです。


Hatsuko Endo のプロデューサー&メイクアップアーティスト。
美智子妃(現上皇后)ご成婚の美容を担当した四代目遠藤波津子の孫。幼少期から夏の時季をほとんど軽井沢で過ごす軽井沢の達人。
「これまでは旧軽井沢~中軽井沢が行動範囲だった軽井沢の人たちも、最近は、西軽井沢と呼ばれる追分や御代田へとエリアが広がっています。私は浅間サンライン沿いがお気に入りで、地粉屋さんでお蕎麦を食べて、小林農園で野菜を買い、雷電くるみの里で庭にやってくるリスのためのナッツを買うというのが定番。秋になるとちょっと足をのばして小布施の松茸小屋まで行くことも。夏場、レストランが混む時季はテイクアウトを上手に活用するのもひとつの手ですよ。」と教えてくれました。