Patras Interview

vol.2

こどもの頃から夏のお家は軽井沢
ここで育ったことは
自分らしさの根源かもしれません
遠藤晶子

Hatsuko Endo Group 常務取締役

日本の美容業界のパイオニアとして知られるHatsuko Endo(遠藤波津子美容室)。
軽井沢の代名詞とも言える万平ホテルに軽井沢店があり、一棟のコテージまるまる美容室という素敵な空間。今夏本営業初日に遠藤晶子さんを訪ね、仕事における人生観と晶子さんにとっての軽井沢を伺いました。

 

日常をそのままに、軽井沢で暮らす夏

夏の間、軽井沢の美容室がオープンするのもあり、一家で軽井沢に。夏の間は聖パウロ教会の幼稚園の夏季保育に通っていました。お昼寝の時間に寝たくなくて泣いてばかりいたのを覚えています。日常が東京から軽井沢に変わっただけで、バカンスではなく、住人という感覚です。子どもにとって軽井沢は時間を持て余すくらい暇で、虫をとって瓶に入れて並べたり、自転車でぐるぐる回る、あちこちでらくやきをする、くらいしかやることがないのですが、そうやって一緒に育った同じような境遇の“軽井沢の人脈”みたいなものもあります。
 
最近、老舗であることに対するリスペクトを感じることが増えてきました。あらためて見ると昔のロゴがかえって素敵に思えて、軽井沢店のパネルはあえてそれを採用しました。普遍の美にはやっぱりチカラがあるんです。培われてきた普遍の美を持っていることは、老舗の強みかもしれません。



夏の間、期間限定でオープンする遠藤波津子美容室軽井沢店。 万平ホテル敷地内の奥にあり、係員にひと言告げればコテージ前まで車で来ることができます。

自然体を貫いた結果ヒットした
オリジナルブランド「A by Hatuko Endo」

もともとそんなに仕事が好きというタイプではないんです。できれば家でぼーっとしていたい(笑)。大学を卒業する頃、就職はどうしようというときに、父が懇意にしていたシュウ・ウエムラさん(植村秀さん)のスクールに入ってメイクアップを学びました。基礎を身につける上でスクールはとても役立ちましたが、シュウさんのお部屋に遊びに行くと「紙に左右対称に眉を描いてみて」といった個人レッスンになって、今思えばマンツーマン指導という有り難い時間でした。シュウさんは同じ人に長く習わない方がいいという考えで、ひととおり教わると卒業。その後は自社のアーティスト、岡山さんにいろいろ教えてもらいました。
メイクアップアーティストとしてたくさんの花嫁さんと関わるうちに、カラードレスのニーズに応える必要に気づきました。当時はインポートドレスがメインのラインナップ。お色直しでカラードレスを着るというのは海外にない文化です。カラードレスは国内のメーカーさんから買い付けるしかなかったので、ほかにはないカラードレスをオリジナルでつくることにしました。こういうのが欲しいをカタチにしていく、フォルムや素材、装飾、自分なりのこだわりを詰め込んでいって「A by Hatsuko Endo」ができました。お陰様で多くの花嫁の支持をいただき、幸せのお手伝いができることはこの上ない喜びです。

自分が好きと感じることを貫き通す

美容とウエディングを生業とする会社にとって、コロナ禍は最大の危機だったと思いますが、考えすぎないこと、常にフラットにいることが大事かなと思います。もともと感情が激しくないというか、あまり緊張しないタイプ。考えすぎは緊張に繋がります。自分をリラックス状態におくことで最大のパフォーマンスが発揮できる。人からどう見られようが自分が好きをかたちにする、自分らしさを貫き通すことが大事かなと思っています。



日本橋の老舗、榮太郎総本舗にオリジナルでつくってもらっている飴、こだわりのお水も銀座店のサービスそのまま。避暑地の気持ちよい緑の空間がいつもの安心感に包まれます。

たった2ヶ月のためにサロンを
開く銀座の老舗の顧客ファースト精神

遠藤波津子美容室は1905年銀座に創業、今年120周年を迎えました。夏は軽井沢の別荘で過ごす銀座店の顧客のために昭和36年に軽井沢店を開店、最初の店舗は、三笠通りゴルフ橋近くにあり、政治家の方や歌舞伎俳優の方が奥様を待ってらっしゃるという避暑地ならではの光景だったそうです。
その後、万平ホテル内へ移転。ホテルリニューアルに伴いコテージの美容室になりました。
軽井沢店の特徴は、都内のサロンで活躍するトップスタイリストたちが交代で常駐すること。スタッフもサービスもプロダクトも、銀座の日常がそのまま軽井沢にあるという贅沢がそこにあります。東京よりもゆったりと時間が流れる軽井沢。通常のヘアメニューのほかヘッドスパも、頭皮環境を整えて疲労回復にも効果的と、男性にも人気です。

 



遠藤晶子
Hatsuko Endoのプロデューサー&メイクアップアーティスト。
数多くのウエディングを担当してきた経験や海外での買付けで培った感性を活かし、
2018年よりオリジナルドレスブランドの「A by Hatsuko Endo」を展開。
ニーズを捉え、ウエディング市場で高い支持を得る。
関東を中心に数十店展開する美容室の店舗のプロデュースまで、
幅広く担う、美智子妃ご成婚の美容を担当した四代目遠藤波津子の孫。