パトラ世代の女性たちは、
仕事の顔、妻の顔、母の顔、個人の顔とたくさんの顔を上手に使い分けています。
メイクアップは、必要とされる TPO に合わせた顔や表情、
雰囲気をつくるツールです。
そして、人が引き寄せられる魅力と輝きを与える、
私らしさを表現するテクニックです。
鏡の前に立った時に、“今日もキレイ!” と自分にマジックをかけ、
自信を持って幸せに過ごすメイクアップのノウハウと知恵を
お伝えしていく講座です。
世界のセレブリティをメイクアップし、美を追求してきた視点から、
あなたにキレイの流儀をお届けしていきます。

ワントーン・ベイスメイク仕上がり
笑った時に、自然に滲みでる、頬と顎先のツヤ感。親しみやすい優しい印象に、キレイ!を納得。
「親しみやすい優しい印象」をつくるには、
ベースメイクが 70パーセント!
第一印象の決め手は、どこから受けると思いますか? 装いですか? ヘアスタイルですか?実は、“肌の質感” から感じています。顔は視覚的に一番大きい部分で、人は自然に顔の肌を見ていますね。
ですから、“肌の質感” をつくることが、全体の印象の決め手なのです。
第1回目は女優の国分佐智子さんがゲストです。
国分さんは女優の仕事をする一方で、夫の2代目・林家三平さんの妻として立場やお子さんの学校関係やお母さんたちの会に参加するなど、さまざまな TPO が日々の予定に組み込まれているそうです。特にお子さん関連の会や集まりには「親しみやすい優しい印象づくり」を心がけているそう。しかしあまりにも素顔に近いと失礼な感じがするし、どこまでが “控えめのライン”なのか、メイクマナーに迷むそうです。
多忙な 1 日には、ツヤめく素肌感をつくる
「ワントーン・ベースメイク」を提案
“清楚、親しみ、優しさ” というキーワードから求められる肌とはどんな肌でしょうか?顔だけが悪目立ちしない、自然な美しさですね。今回、伝授する「ワントーン・ベースメイク」はまさに、この自然の美しさをつくるテクニックです。
その鍵は “ツヤ感” にあります。
さて、ツヤ感といっても流行や世代感覚があります。例えば、近年まで流行っていた全体が濡れたようなツヤやキラッと光を発する微粒子パールのツヤもあります。しかし、このツヤはTPOを間違えると下品にも見えるし自然ではありません。
また、モード感の強いマットな質感は、ファッションによってはかっこいいかもしれませんが、パトラ世代はただの地味肌に見えてしまいます。
私が提唱するベースメイクは、ニコッと微笑んだ時に効果を発揮する “頬と顎のツヤ感” のつくり方です。この2箇所がツヤやかな肌は、好印象であること間違えなしです。

(左)ベースメイク前の国分さん。 (中央)リキッドファンデーションは、毛穴の下から上に向かって毛穴の中まで塗るように叩き込むこと。まるで自前の美しいツヤのように仕上がります。 (右)髪の間までリキッドファンデーションを塗っていくと隙のない美しさになります。
「ワントーン・ベースメイク」の基本テクニックは、
カモフラージュしないこと
下地、コントロールカラーで、地肌の色補正をする方法もありますが、「ワントーン・ベースメイク」は重ねないことがコツです。重ねると早い時間に化粧崩れをします。また、気になる部分にファンデーションの重ね塗りをするテクニックもしません。
カモフラージュすると、厚み感が出て、自然のツヤからは遠ざかります。
テクニックで大切なのは、手の甲に取ったリキッドファンデーションを、毛穴の下から上に塗っていくことです。指の腹を使ってトントンと塗り込むように乗せていくと肌と一体化して、ツヤが生まれます。さらに大切なことは、肌に残ったファンデーションは指の腹に吸着させてオフすること。顔全体がワントーンの色味と質感で、ピタッと1枚のベールを貼り付けたような感覚に仕上げることです。まぶたや目の下、鼻の頭は指に残っているファンデーションをトントンと乗せるだけ。T ゾーンのテカリが気になるようでしたら、ルーセントパウダーをひとはけだけ乗せてください。
このテクニックは、崩れにくいのが特徴。多少寄れても、指の腹で叩き込めば元どおりに復元できる優れものです。
“美しいツヤ肌” をつくる「ワントーン・ベースメイク」は、親しみや優しい印象を与えながら、多忙な 1 日を心地よく守る、パトラ世代必須のテクニックです。

東京生まれ、オーストラリアで育つ。恵泉女学園短期大学英文化卒業1997年、
デビュー以来、ドラマ、映画、舞台で活躍。CM 出演多数。
2011 年 1 月、落語家の二代目・林家三平と結婚。
子育て真っ最中の現在は、三平師匠の女将さん、きもの雑誌のモデル、
バラエティ番組の出演など、多忙な日々を送る。
趣味は料理、ガーデニング。